徒然、草ァ

限界薬学生物語

0002 秘密道具で金儲け考えてる間は逆に子供だったりする

ドラえもんの秘密道具を一つもらえるとしたら、何が良いか?

誰しも一度は、金曜日の夜、布団に入ってから妄想してみたことがあると思う。

 

僕は多分「どこでもドア」を選ぶ。

漫画最初期からその圧倒的汎用性で確固たる地位を確立し、認知度は最高クラス、映画は毎年スタメン入り、毎週のアニメでも、主役道具を邪魔せず、ちょっしたアクシデント時にさりげないフォローでストーリー進行を助けるので、秘密道具界でも人望、いや道具望が厚いと聞く。そんなレジェンド級の道具があれば寝坊も怖くないし、ちょっとした隙間時間に世界旅行へ行ける。

 

しかしながら、この話をしていると「タイムマシン」や「もしもボックス」を挙げる人が必ず出てくる。考えが甘いな、と言わんばかりのしたり顔で、自分の道具は一つであらゆる道具の代替機能たりうるのだと、主張する。確かにそうかもしれない、しかし侮るなかれ、どこでもドア派もみんな、そこは通ってきたのである。

 

この世界の根本的仕組みを覆す強力な道具たちを差し置いて、どこでもドアが選ばれる理由、それはズバリ実生活に馴染みこむ使い道と、レジェンド級なのに控えめな主張の効果なのだと僕は思う。

 

ゲームにおいてチートを使うと段々本来の楽しさが減るように秘密道具が強力すぎると生きるのが面白くなくなってくるのでは、と考える。

 

その点どこでもドアはどうだろうか?朝の満員電車に乗らなくて良い。もう15分寝られる。お昼休みにパリのお洒落なパン屋さんに行ける。疲れた日には仕事終わりに文字通り秒で家に帰れる。しかも恥ずかしい時には穴を掘らなくてもその場から即刻消えられる。今まで通りの日常にちょっとした便利さ、ささやかな幸せが加わる。それぐらいがちょうど良いのでは、そう思うのである。

 

ちなみに、どこでもドアを挙げる人は次点で暗記パンを挙げがちである。